
世界の動物用処方薬市場でトップシェアを誇るゾエティス(ZTS)は、かつての高評価が剥げ落ち、ピーク時から株価が大きく下落しています。
くうねるファンドでは、ゾエティスを50株を保有しており0.82%のポジションですが、トータルリターンは-36.60%と大損です。こちらはワースト2で、ワーストはセールスフォースです。
指標のひとつであるEV/EBIT(企業価値評価)も11倍台と、過去と比較してかなり低い水準で取引されている状態です。株価が大きく下がったからといって、同社のビジネスモデルが崩壊したというわけではありません。
現在の事業環境と、将来に向けた成長の種を整理します。
売上減速の原因は競争力低下ではなく、ペット特需の一巡とインフレ
株価下落の主な原因は、かつて年平均7.5%で成長していたトップライン(売上高)の急な減速です。
売上が落ちたからといって、ゾエティス自体の競争力が落ちたというわけではありません。
外部環境の変化が重なった結果として、数字に表れています。
具体的な理由は大きく2つあります。
1つ目は『ペット特需の一巡』です。
コロナ禍で爆発的に増えた新規のペット飼育ブームが落ち着き、需要が平準化しました。
2つ目は『消費者の節約志向』です。
長引くインフレの影響で、特に米国では動物病院への来院頻度が下がり、予防薬のまとめ買いを控える飼い主が増えています。
これまで市場が期待していた高い成長ストーリーが一旦リセットされたことで、株価の大きな調整が起きました。
足踏みするペット部門を、安定成長の家畜部門が下支えする構造
現在の厳しい環境下でも、ゾエティスのビジネスモデルは安定しています。
性質の異なる2つの事業部門がバランスよく機能しているからです。
| 部門 | 売上比率 | 利益への貢献と特徴 | 現在の状況 |
| 『ペット(犬・猫など)』 | 約70% | 高利益率の稼ぎ頭。飼い主の支出意欲に依存。 | インフレの影響で成長が急ブレーキ |
| 『家畜(牛・豚・鶏など)』 | 約30% | 安定した資金源。食肉需要に支えられる。 | 力強く成長し、全社の業績を底支え |
現在は稼ぎ頭であるペット部門の成長が鈍化しています。
そこを、景気に左右されにくい家畜部門がしっかりカバーし、全社の業績を底支えする強さを発揮しています。
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主力薬の特許と獣医師の「切り替えコスト」による高い競争優位性
懸念されがちな主力薬の特許切れですが、当面は会社の屋台骨を揺るがすような事態にはなりません。
一部の古い薬にはジェネリック医薬品が参入し始めていますが、利益の柱である主力製品の特許はまだ有効だからです。
具体的には、犬用アレルギー性皮膚炎薬の『アポキル』は2030年代前半まで、犬用寄生虫駆除薬の『シンパリカ・トリオ』は2030年代後半まで主要特許が守られています。
さらに、動物用医薬品ならではの強みとして『獣医師の切り替えコスト』の高さが挙げられます。
獣医師は、効果と安全性が確認できている使い慣れた薬から、別の薬へ切り替える臨床リスクを嫌う傾向があります。
そのため、ゾエティスが一度獲得した市場シェアはそう簡単に崩れません。
長期成長の鍵となる「関節炎・慢性腎臓病・がん」への新薬開発
足元の成長は鈍化していますが、将来に向けた大型新薬の開発は着実に進んでいます。
豊富な研究開発費を投じ、以下のような新しい治療分野を開拓しています。
- 『次世代の関節炎治療薬』:現在月に1回の注射が必要な薬を、1回の注射で3ヶ月持続させる新薬が承認段階に入っています。
- 『慢性腎臓病への挑戦』:高齢の犬猫の多くが罹患するものの、決定的な治療法がない未開拓分野です。2027年の新薬承認を目指しています。
- 『動物用がん治療薬』:人間の最先端医療を応用した早期発見・標的治療薬を、2028〜2029年頃に投入予定です。
人間の医療と同レベルのケアを求める『ペットの家族化』という長期トレンドに直結する新薬を作り出せる開発力こそが、ゾエティスの最大の強みです。
投資判断のポイント:業績回復のタイミングと現在の株価水準

現在のゾエティスは、マクロ経済の悪化によって市場からの高い評価が剥げ落ちた状態です。
高い参入障壁や利益率、将来の新薬候補といった企業としての稼ぐ力が失われたわけではありません。
あくまで外部環境による需要の冷え込みが主な要因です。
とはいえ、消費者の支出意欲が回復し、再びトップラインの力強い成長が確認できるまでは、株価の上値が重い展開が続く可能性があります。
ペット市場の長期的な成長トレンドをどう評価するかによって、現在の株価水準に対する見方は変わってきます。
自分の選択→様子見(塩漬け)
8,377.72ドル投じているので、買い増しはしません。もちろん売却もしません。
しばらくはウォッチして、パランティアなど別の株のウェイトを増やすのを優先します。
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